大宮公園の夜桜を見上げると、桜の枝の間からぼんやりとお月様が見える。
「朧月夜(おぼろづきよ)にしくものぞなき・・・」
『源氏物語』の”花宴(はなのえん)”で、光源氏は宴のあと御所の弘徽殿(こきでん)で女性が和歌を口ずさむ声を聞く。大江千里(おおえのちさと)*の和歌を口ずさむ女性は右大臣の六の君・・・つまり”朧月夜”ですね。源氏物語で最も好きなシーンのひとつです。光源氏でなくともこんな女性がいたら”お姫さま抱っこ”したくなってしまうでしょうね。(笑)
ところで歌手の大江千里(おおえせんり)さんがジャズピアニストになっていることをご存じですか?バンド編成で演奏しているのをテレビで見たことがあります。大江千里さんの『ありがとう』*という歌が好きでした。また歌ってくれないかなあ。
*大江千里(おおえのちさと) 中古三十六歌仙のひとり。貴族、歌人。朧月夜が口ずさんだ和歌は「照りもせず曇りもはてぬ春の夜のおぼろ月夜にしくものぞなき」新古今和歌集に収められている。
*大江千里さんの『ありがとう』 1992年リリースのシングル。