イングランドのプレミアリーグが開幕した。
プレミアリーグはここ3~4シーズンほど、まともに見てなかった。アレックス・ファーガソンが引退して、プレミアリーグへの興味が一瞬薄れたことと、ちょうど3~4年前から今年の春まで仕事に忙殺されていたために、見ることが激減していた。
ただ、ファーガソン引退以降のプレミアリーグの監督陣がとんでもないことになっていることも知っていた。マンチェスター・ユナイテッドはジョゼ・モウリーニョ、マンチェスター・シティはジュゼッペ・グアルディオラ、チェルシーはアントニオ・コンテ、リヴァプールはユルゲン・クロップ、そしてアーセナルはアーセン・ヴェンゲルが健在だ。アレックス・ファーガソンは私にとって最も偉大なサッカーのマネージャー(監督)だった。しかし、今やその存在を超えようとするマネージャー達が凌ぎをけずるリーグになった。
開幕の数試合を見たが、やはりぞくぞくするほど面白い。久しぶりに「フットボール」を見た。イギリスでは「サッカー」とは言わない。それを知ってか、解説者も「フットボール」とか「フットボーラー」という言い方をして、イングランドのサッカーを扱っている。
イングランドプレミアリーグの魅力は語りつくせないが、その特徴はフィジカルの強さやスピード感にある。激しいタックルは当たり前で、少々のことでは審判は笛を吹かない。コロコロ転ぶ選手は役に立たないし、サポーターからは決してリスペクトされない。ほとんどのクラブが身長も体重もある屈強なフィールドプレイヤーを揃えている。パスアンドランをしないプレイヤーも駄目だ。プレミアリーグでは走り続けることが要求される。「キープランニング!」私が昔チェルシーのスタンフォード・ブリッジで試合観戦した時に、サポーターがプレイヤーに叫んでいた言葉だ。「肉弾戦」こそが「フットボーラー」に要求されるベーシックな要素だ。
これもプレミアリーグの特徴だが、スタジアムはすべてサッカー専用スタジアムだ。プレミアリーグのサポーターは本当によくサッカーを知っている。サポーターがどんなプレイに反応しているのかを見ているだけでも楽しい。目の肥えた観客に見守られ、または見張られながらプレイヤーは「フットボール」をしなければならない。喝采とブーイングが入り混じった中で、「フットボーラー」たちの「男の闘い」を見ることはこの上もなく楽しい。また、プレミアリーグは華やかなマネージャー陣が繰り広げる舌戦やベンチでの振る舞いも面白い。
そんなわけで今シーズンは折に触れてプレミアリーグを含めて海外のリーグの感想なども書いてみたいと思う。