月刊『フットボリスタ』9月号に面白い記事が特集されている。
”ラップトップ監督”という聞きなれない言葉。はっきりとした言葉の定義は分からないけど、”ラップトップ監督”とはドイツサッカー連盟のライセンス試験の研修を、常にノートパソコンを携帯して優秀な成績で卒業する優等生のような無名の若い指導者を指すらしい。
ブンデスリーガでは30代の監督が6人もいるみたいだ。しかも6人とも選手として1部リーグの経験もないような無名選手だというのだ。その指導者たちのプロとしての経験不足を元ドイツ代表のショルが揶揄して”ラップトップ監督”と批判したらしい。
そもそもこの現象は現ドイツ代表監督のヨアヒム・レーブが発端だったようだ。
確かに元ドイツ代表監督のクリンスマンまではベッケンバウアーなど選手として代表経験もあるような人材がドイツの代表監督になっていたけどレーブは選手としては無名だったからね。
レーブは戦術論に長けていて、そのためクリンスマンはすぐにレーブをコーチにしたみたいだ。選手としては無名でも、指導者に抜擢する流れは元ドイツ代表でドイツサッカー連盟でスポーツディレクターに就任したザマ―が推奨、促進して作っていったようだ。
面白い話しですね。
私はまだ若いドイツの”ラップトップ監督”がどんなサッカーをやるのか見たことはないけど、この流れは世界に広がっていくような気がするけど、どうかな?
この間ブログで紹介したプレミアリーグのワトフォードで指揮をとるマルコ・シルバもまだ40歳で選手としては無名だったんだよね。
考えてみるとモウリーニョも選手としては無名だしね。
これは何を意味するのだろう?
ぱっと思いつくのは逆説的だけど、彼らが「専門家」ではないからじゃないかな。
もちろんサッカーの専門家ではあると思うけど、いわゆる選手としての専門家ではないということ。いままで誰も思いつかないような戦術論、トレーニングメニュー、指導方法を創出できるのかもしれない。
もうひとつはパソコンを駆使して科学的なアプローチを試みてる気がする。
記事の中にも言葉より映像で選手に伝えることが書かれていたし、戦術のシミュレーションも今はコンピューターを使ってできるのかもしれない。フィジカル面の管理もパソコンで行うのかもしれない。
選手はタブレット・スマホ世代だからね。選手だけでなくコーチにもあやゆるデータを示すことで意思統一を図っているのかもしれない。
とにかく面白くなってきた。彼らがビッグクラブの監督になる日がくるのかもしれない。とにかく古いやり方ではダメなのだろう。
一方でJリーグは指導者が育っていないような気がしている。
Jリーグが開設されて四半世紀が経つけど、安定した成績を収めたり、卓越した成績を収める日本人監督が出ていない気がする。従って岡田さん以外で日本人でA代表の監督候補になれる人も出てこないのではないだろうか。
Jリーグの指導者の育成で停滞感があるようなら、ドイツをマネしたらいいんじゃないかな。
マネは恥ずかしいことだとは思わないし、やって失敗したらやめればいいだけのことだから。
あと審判の育成もなんとかならないかな。どのメディアも日本は審判の批判を控えているように思えますが、不思議です。