大宮アルディージャの今季の迷走と2部への降格は、あいまいな経営スタイルが招いた結果であることがわかってきた。
2015年シーズンのJ2降格からわずか2年で2部に降格したことで慢性的な組織の弱体化が気になり始めた。
1部リーグの常連だったクラブが2部に落ちてから昇格できないでいるケースも見受けられる。
大宮アルディージャがそうならないためにも、根本的な経営の見直しが必要になっていると思われる。
こうなるとクラブ自身の努力だけではどうしようもないことも予想される。
今季の低迷についてもクラブは必死に手を打っているように見えたが、それは有効な手ではなかった。
経営者にせよ監督にせよ個人を責めるのは簡単だ。
しかしどんなに頑張ってもどうしようもないこともある。
経営者がどのように頑張っても状況を打開できなかったとすれば株主の力を借りざるを得ないのではないだろうか。
しっかりとサポートを要請するべきだし株主もきっとそれに答えてくれるはずだ。
そもそも大宮アルディージャの株主はNTTだ。
大宮アルディージャは日本サッカーリーグ時代のNTT関東を母体として1998年にNTT東日本が株主の中心になり作られたプロフットボールクラブだ。
かみ砕いて言うと、自分の会社のサッカー部に出資をして、それを独立させて株式会社を設立したということになる。
そしてサッカー部時代に埼玉県サッカーリーグに加盟していたことから、ゆかりの地である埼玉県に会社を設立したのだ。
これは奇跡なのだ。
こんなことは愛や実力がなければできない。
1998年当時はJリーグは開幕して5年目だった。隣接する旧浦和市(現さいたま市)にあった浦和レッズはたいへん人気があったクラブだし、2002年には日本でのワールドカップも控えていたから、このふたつの影響力を受けてクラブ創設を後押しするような雰囲気はあったかもしれない。
しかし儲かるかどうかもわからないサッカーに投資して会社を設立することや、市民が旧大宮市(現さいたま市)にサッカーのクラブチームを一所懸命に招致したことは、愛と実力がなければできないことなのだ。
このことを忘れないでいてほしい。そして思い出してほしい。
この精神を忘れなければクラブを再建することは可能だと思っている。
精神とは株主(親)-クラブ(子)-サポーター(親)は一体だということだ。
どれがかけてもクラブという子供は生まれないし育たない。
財力があるから株主を父親、母なる大地というから大宮の土地に住んでいるサポーターを母親といってもいいかもしれない。(笑)
「子供は毎年のように2部降格争いを繰り広げていた。父親はよちよち歩きの子供を見守っているだけだ。母親が父親にいくら訴えても聞く耳がない。2016年にようやく5位になって成長したように見えた子供からちょっと目を離した隙に転んで大ケガをした。本当は子供は転ぶ前に父親に手を差し伸べてもらいたかったのに。子供は心も体も傷つきボロボロになっている。母親は子供を思い、優しく慰め勇気づけようとするが子供は立ち直らない。愛情だけではダメだからだ。父親にはふたつの力があった。財力と仕事のノウハウだ。今子供に必要なのはお金と歩き方のノウハウだ。昔父親と母親は愛し合って結婚した。父親には財力だけでなく愛情もあったからだ。子供が生まれた時には愛情を注いでくれた。実は父親には他にも子供がいるのだ。他の子供たちの面倒を見ることで忙しい。だから自分の部下に子供の様子を見させていた。しかしケガをした子供はこのままでは立ち直ることができない。父親からケガを直す治療費を貰い再び転ぶことがないように歩き方のノウハウを学ぶ必要がある。父親に直談判しなくてはならない。そのためにもまずはしっかりと自分の力で立ち父親のところに歩いていくことだ。心配しなくても愛情ならいつでも注いでくれる母親がついている。」
昨日、大手電機メーカーが第三者割当増資で6,000億円の増資をするとの報道があった。融資に手をあげたのは投資ファンドだ。株主を父親だとすると継父にあたる(笑)。この継父は子供のことなど考えない。子供が生み出す利益の事を考える。結果的に子供は良くなるかもしれないが悪くなれば見捨てられる。
大宮アルディージャの株主はこのようなぽっと出の株主ではない。安定した経営や財力がありそのノウハウも持っているはずだ。人材や人脈もあるだろう。巨大な事業主なので本気で声を上げないと気づいてもらえないかもしれない。でも素直に助けてほしいとお願いすることは何ら恥ずべきことではないと思う。なぜなら大宮アルディージャの生みの親でもあるからだ。