【株主のコミットメントがない大宮アルディージャ】
2017シーズンの大宮アルディージャはまず、監督とコーチを更迭した。渋谷監督と黒崎コーチにあたる。その次にムルジャ、沼田、ペチュニクといったように選手を更迭した(更迭という言葉は便宜上使っています)。これは選手が先でも監督が先でもたいして重要ではない。
次に再度監督を更迭する。伊藤監督だ。
シーズン中に2度監督を更迭することはたいへんなことだが、百歩譲ってここまでは理解できる。
しかし2度目の監督の更迭と同時に強化部長を更迭した。しかも残り3試合の状況で。
そうするとこういうことになる。
多少順番は前後するが、選手→コーチ→監督→強化部長と下から順々に更迭していることが分かる。
強化部長というのは監督以下、コーチ、選手を統率する人だから監督以下の更迭については理解できる。
しかし強化部長が残り3試合で更迭されたことには意味が帯びてくる。
強化部長には人事決裁権はないにしても監督以下の人事の権限者のひとりだったはずだ。
その強化部長が残り3試合の状況で更迭されるということは、残り3試合になって残留できない理由が強化部長にあったとクラブがようやく判断したか、ファンの批判に耐えられなくなった結果としてただ単に責任を取らせるためにポーズで更迭したこと以外考えにくいのだ。
残り3試合の状況になって、残留できない理由を強化部長に求めるなんていうことがありえないことを考えると、おのずとクラブが責任を取らせるためにファンに示したポーズであったと考えられるわけだ。
強化部長は役員ではないのではないのだろうか?
役員人事なら株主の承認が必要なはずだ。私が知る限り臨時株主総会が開かれた形跡がない。
公開されていないだけかもしれないので決めつけるわけにはいかないが、非常にあいまいだ。
強化部長の解任を株主は知らされていたのだろうか?
知らされていたとしたら、本当にこのようなことを許したのだろうか?
また強化部長が役員でないとすると強化部門の取締役は誰だろう?
もしそれが代表取締役だとしたら、代表取締役はサッカーの強化部門に詳しい方なのか?etc...
すべての意味において株主はクラブをコントロールできていたのだろうか?
いやそんな言い方は身も蓋もない。
株主はクラブをサポートしていたのだろうか?
今シーズンの大宮アルディージャは下は選手から上は強化部長まで次から次へと更迭していき、一見人に問題があったように見えるが、以上のようなことから、おそらく人というよりは組織に問題があることが浮かび上がってくる。
そしてそこには株主のクラブへの薄い係わりが見え隠れしている。
そうだとしたらいくら人を変えても問題は解決しないことになる。
またこうも言えそうだ。
厳しい言い方だが、株主がクラブ側に運営を丸投げしてコミットメント(しっかりと係り合うこと)しない体質が過去を含めて大宮アルディージャの慢性的な低迷の理由だったのではないだろうか。
図らずも強化部長の更迭がこのことを明るみにしてくれたような気がする。
ただしもうひとつの真実も浮かび上がってくる。
逆にもし株主がクラブ運営にコミットメント(しっかりと係り合いうこと)して十分なサポートを行った場合、クラブは良くなっていく可能性があるのではないだろうか。
子供が何歳になっても親はその子供に責任がある。
もちろん過保護や過干渉はよくないが、放置することもよくないのだ。(笑)
大宮アルディージャは設立されてから20年弱だ。
人間なら成人だが、サッカーのクラブチームとしてはこれからではないだろうか。
親のサポートがまだまだ必要なのだ。