少し前のことになるけど、元イタリア代表でACミランでも活躍したMFジェンローナ・ガットゥーゾが今シーズンからACミランのプリマヴェーラ(下部組織)の監督に就任した。
ACミランの新CEOのマッシモ・ファッソーネに呼ばれたみたいだね。
記者会見でのガットゥーゾのコメントが彼らしい。
「・・・俺の選手たちには、軽薄ではいさせないよ。サッカーをすることは特権なんだ。いつも偉大なプロ意識を持たなければならない。・・・」
俺の選手たちには、軽薄でいさせない・・・いいよね!
こんなことが言える指導者がまだいるんだね。
【オレの選手に軽薄さは許さねえ!ミラン復帰のガットゥーゾが吠える】
そんなガットゥーゾがセリエBのピサの監督を務めていた頃に、バルセロナやグアルディオラのサッカーのコピーをすることで、イタリアの守備の文化が失われてしまったことに警鐘を鳴らしていたことを知った。
【「ペップとバルサは悪影響」、猛犬ガットゥーゾが噛み付いた】
マーキングやゴールキーパーのスキルが持続できていないことを嘆いているようだ。
ガットゥーゾは自分たちには変化が必要であることを認めつつも、過去にイタリアが4度のワールドカップの優勝経験があり、その間、素晴らしいコーチを生み出してきたことに矜持を示して、過去50年間やってきたことがゴミであるはずがないと言っている。
そして若手選手の1週間のプレイ時間が10時間しかなく、かつてのプレイ時間の長さが多くの才能を生みだした理由であったと指摘している。
フットボールの天才よりスマートフォンとプレイステーションの天才が多くいると、現在の状況を皮肉をこめて語っているのだ。
ところが興味深いのは、グアルディオラ自身が、パスを繋ぐことは手段に過ぎず、ゴールすることが目的であり「ティキ・タカ」はメディアが作り出した幻想である、自分は「ティキ・タカ」などやっていない、という趣旨の主張をしているのだ。
【メディアの報道に怒るグアルディオラ「ティキ・タカはゴミだ」】
ガットゥーゾは上記のコメントの中でこんなことを言っている。
「バルセロナとグアルディオラは、クラブやコーチの間にモンスターたちを作り上げているんだ。」
もしかしたら、この「モンスター」、バルサやペップの知らぬところで、メディアや観衆、場合によってはプレイヤーによって作り上げられた正体不明の「何か」かもしれない。
ガットゥーゾもバルサやペップを批判しているわけじゃなくて、バルサやペップのサッカーを真似ることによって失われた自分たちの良さみたいなものに危機感を覚えているんだよね、きっと。
ガットゥーゾは現役時代は狂犬と言われて野性味があったからね。野生の嗅覚でわかるんじゃない?(笑)
影響がありますね、バルサ。一人歩きしている観さえある。でも裏返せば、それくらい魅力があったんだね、バルサのサッカー。(^_-)
実際、この間もグアルディオラが現在指揮しているマンチャスター・シティとリヴァプールの5-0の試合を見たけど、無駄なパスは少ないね、シティ。特にゴールシーンは、縦に早くてシンプルなパスが多かったよ。
あとねガットゥーゾについていうと、確かチャンピオンズリーグでマンチャスター・ユナイテッドとACミランが決勝トーナメントであたって、当時はマンUにクリスチアーノ・ロナウドがいたんだけど、ガットゥーゾがほぼ完璧に抑えたからね、ロナウド。
しかもほとんどファールしないんだよね。飛び込まないでロナウドがドリブルするコースを巧みに絞って追い詰めていくイメージかな。冷静で慌てないしすごいスキルだと思ったよ。みた目に騙されちゃだめね。(笑)
そのガットゥーゾもプリマヴェーラのデビュー戦では大敗したみたい。( ノД`)
難しいね勝負って。でもしっかり負けを受け止めているみたいだったよ。