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大宮アルディージャ観戦日記

J2リーグ2018 第39節 大宮アルディージャ対京都サンガF.C.1-2 大宮アルディージャが勝負弱いわけ

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2018年10月28日(日)16:00 NACK5スタジアム大宮
大宮アルディージャ対京都サンガF.C.
試合結果 大宮1-2京都(得点者:大宮 32' 〈PK〉大前元紀 京都3' レンゾ・ロペス 10' カイオ・フェリペ・ゴンサウベス)

 

DF闘莉王選手のFW起用にはびっくりしましたね。しかも大宮はその戦術の対処ができず、試合開始10分間で2失点して京都に逃げ切られてしまいました。

京都のフォーメーションはおそらく4-2-3-1。FWロペス選手のワントップ、DF闘莉王選手のワンシャドウ、サイドハーフふたり、といったところでしょうか。ただ、DF闘莉王選手のFW起用を見た時は、正直に言って大宮に勝機あり、と思いました。

38節終了時点での京都の順位は19位。目立つのは得点力の低さ。36得点でリーグワースト3位。1試合平均1点未満。これを見ると、苦肉の策で闘莉王をFW起用しているのがわかります。37歳のDFをFW起用している時点で得点力がありません、と宣言しているようなもの。先制して主導権を握れば、引き分けはあっても負ける可能性は低い対戦相手でしたね。

ところが大宮はこの奇策に対応ができませんでした。

 

【思惑通りに試合を運んだ京都サンガF.C.】

京都は試合開始早々、闘莉王選手をターゲットマンにしてロングボール、ハイボールをどんどん放り込んできました。大宮はヘディングでの競り合いに勝てないために、DFラインが下がり、セカンドボールも拾えないという悪循環に陥りました。

闘莉王選手のポジショニングもうまかった。中央バイタルでボールを受けた時は、難しいことはせずにサイドにボールをはたいてゴール前に動く。ゴールキックや味方DFからロングボールの供給を促す時はサイドにポジションを取って、角度をつけて味方にヘディングで落とす、という動作を繰り返しました。

大宮はこのシンプルな攻撃に押し込まれてズルズルDFラインを下げてしまった。そのため、全くといっていいほどプレスがかからない状態の中で先制点と追加点を許してしまう。1試合平均で1点以上獲れないチームに、わずか10分間で2点献上してしまった。京都は後はひたすら逃げればいいという状況を作ってしまったのだ。

37歳の闘莉王選手は後半になるとみるみる体力が無くなり、FWとしての存在感を失っていきましたが、ラストは本来のポジションであるDFラインに入って5バックとなり、虎の子の2点を守り切りましたね。

 

【ボールを繋いでくる大宮は守りやすい】

大宮は2点先制されたものの、前半10分という早い時間帯ですから、まだ追いつける。幸い前半のうちにセットプレイからDF河面旺成選手がペナルティエリアで倒されて、PKで1点を返すことに成功しました。PKのキッカーはFW大前元紀選手でMFマテウス選手がボールを蹴りにいかなかったことには安心しました。(笑)

後半はFWとして体力の消耗を否めない闘莉王選手がなりをひそめたおかげもありますが、守勢に入った京都に対して大宮が試合を優勢に進めました。しかし結局は勝ち越すどころか追いつくこともできずに試合は終わってしまいました。京都も必死に守った結果であることは言うまでもありませんが、ここで試合後にMF三門雄大選手が気になるコメントをしていたので紹介しましょう。

「ゲーム内容は悪くなかったですが、最近の試合ではセットプレー以外で得点が取れていません。崩しの細かい部分を、もう一度みんなで詰めていかないといけません~省略~」

これはいわゆる「流れの中から点を獲る」ことを示唆しさしているものと思われますし、三門選手の言わんとしていることは分かります。

ただ、流れの中から点を獲ることにこだわる必要があるのでしょうか?また、それはどのような形を指向しているのでしょうか?

詳しいデータはありませんが、Jリーグの得点のうち、約3割はセットプレイからの得点だといいます。大宮もセットプレイからの得点が多いですね。FW大前元紀選手の22得点(38節終了時点)も半分くらいはセットプレイではないでしょうか。CKからの得点も多い印象があります。

ペナルティエリア付近のFKや、CKを得られることは、それだけ相手陣地に攻め入っている証拠です。セットプレイからの得点が多いことはいいことなのです。

また、残りの7割の得点は流れの中からの得点ということになりますが、流れの中からの得点もそのほとんどが速攻(時間をかけないプレイ、パス数が少ないプレイ)から生み出されているといいます。

私が気になるのは、こういった意識の希薄さや、選手同士の意識のズレが、大宮の勝負弱さに結びついているかもしれないという点です。

 

京都戦では攻守ともにいいところもたくさんあったのですが、あえて気になっている点をあげてみます。前半先制されてから、左サイドを敵陣深く攻め入ったシーンがありました。そこからドリブルやワンツーで縦に突破することもできたはずですが、横パスを繰り返し、逆のサイドまでボールは流れていきました。

横パスの後も、パスアンドランをすればいいのですが、それもありません。他の選手が裏に走って縦パスを狙ったり、横パスを受けた選手がシュート体制に入る素振りもありません。

綺麗にパスが繋がっていくだけです。

パスありきで、ランも少ないので、マークもずれず、相手は守りやすいということになります。

また、後半には中盤でボールを奪取して、速攻をかけられるタイミングがありました。FWは前を向いて走っているのですが、MF陣でフリーランニングをしている選手がいません。FW陣には当然マークがついていますのでMFがフルスプリントをかけなければならないここぞというシーンで、ドライブがかからないのです。

こういったシーンを見ていると、三門選手のコメント「セットプレイ以外での得点」「崩しの細かい部分」といった言葉の意味合いとして「パスを繋いで得点する」という要素が多くを占めているのではないかという印象を否めません。

 

だから、非常に勝負弱く感じます。

 

サッカーの勝負どころ、いわゆるここぞ、という時はどんな時なのでしょう。

〇セットプレイ

〇速攻(ボール奪取からの速攻だけでなく、京都がやったロングボールのような手間をかけない攻撃も含む)

ではないでしょうか。

こまかいパス回しではないのです。(リードしている時は別です)

綺麗なボール回しからのゴールは美しいですし、見ていて楽しいのですが、相手もあることですから、なかなかそんなゴールは決まりません。優勝争い、昇降格争いのような肝心な試合ではなおさらです。

 

【なんとなくまとまりのないチーム】

大宮には得点力の低い京都に対して、前半から猛プレスをかけて”先制して主導権をとる”という発想がありませんでした。仮に、FWシモビッチ選手にプレスができないというのなら、なぜ先発で起用したのでしょう?試合の入り方を間違えているために、10分間で瞬く間に2失点という現実を作り出しました。

クラブが声明を出して、勝たなければいけない、と口先で言いながら、勝つというより負けない試合の入り方になっていました。

また、攻撃について三門選手の考え方も尊重したいですが、リーグ残り4試合での順位(38節終了時点6位)や勝ち点の上積みを考えると、セットプレイ以外での得点を求めている状況ではありません。

セットプレイでいいのです。(笑)

それと、ガッチリ守って、速攻ね。

こんなことからも選手はどんな意識でサッカーをしているのか気になります。

例えば、

〇セットプレイを獲得し得点する意識を重要視しているか?

〇セットプレイ以外のプレイから得点するという意識の中で速攻が重要視されているか?

 

これはあくまでも私がサッカーの勝負に欠かせないと思う意識ですので、別に他の意識でも構わないのです。ただ、勝機への意識さえ統一すれば、それができる選手が大宮には揃っていると思うのですが、どうなんですかね?

1軍登録の選手も半分くらいしか使われませんし、外国人助っ人もほとんど活用されませんね。

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