Jリーグ2017 第1節 大宮アルディージャ対川崎フロンターレ戦(3月11日)を振り返る。
ここでは私が感じた勝敗を分けたポイントについて書いてみようと思う。
試合の全体を眺めた時、試合内容はほぼ互角で、川崎に主導権を握られていたということは無かったと思う。セットプレーからの得点はどのチームも目論むところだし、川崎MF中村憲剛の正確なコーナーキックによるセットプレーからの失点は相手を褒めるべきものだった。時間帯も後半21分なので挽回するだけの時間は十分とは言えないまでも24分間あった。
勝敗に直接起因する出来事だったのか、明確に証明することはできないのだが、気になって仕方がない選手交代があったのでスポットを当ててみたい。
後半12分の川崎FW家長昭博の交代だ。
FW家長は昨シーズン大宮で11得点をあげた選手。2017シーズンから川崎に移籍してこの試合でも先発起用されている。キープ力があって非常に優秀なプレイヤーだと思うが、移籍して間もないせいか、チームにフィットしていないように見えた。この試合に関しては決定的な場面を作り出せない状況だった。とは言え、主力メンバーとして獲得した選手は少なくとも後半20~30分くらいまで交代しないのが一般的な選手起用方法だと思う。もちろん選手のコンディションや戦術の変更などによる交代もあるかと思うが、川崎の鬼木監督*はあっさり家長を交代してしまった。交代した時点でのスコアは0-0にもかかわらず、である。この交代を見た時に、なぜか「やられた」と思った。その”思い切りのよさ”や”勇気”に「やられた」と感じたのかもしれない。このスコアでは大宮の渋谷監督も対応する術(すべ)が思いつかないであろう。FW家長と交代したFW森本貴幸のプレイが試合に決定的な影響をおよぼしたとは思えないからだ。いずれにしても、この交代が敵味方双方の選手にどのような影響をおよぼしたかは計り知れないが、この交代の9分後、大宮は痛恨の失点を許すことになった。
*鬼木達監督 川崎フロンターレのコーチから昇格し今季より監督に就任