昨夜、日本テレビで『思い出のマーニー』というアニメーション映画を見た。途中から見たにもかかわらず、つい引き込まれて見てしまった。主人公の少女が少し暗い性格のように見えたので、少し自意識過剰の、ありがちな女の子の話しなのかな?と思って見ていた。しかしそうではなかった。
映画には自然の風景やログハウス調の家のほか、古い屋敷内の描写などが出てくるが、細かいところまでよく描かれていて、やたら絵がきれいだなあ、と感心した。また、幻想的なシーンが盛り込まれているももの、音楽によって誇張に表現されていないために、逆にその幻想的なシーンが引き立っているようにさえ思えた。全篇が静かな映画で、物悲しいが、最後には主人公の少女は元気になっていく。
私はこの映画を見るのが初めてで、2014年公開のスタジオジブリの作品であることを後で知った。この作品はイギリスの児童文学が原作になっていて、舞台をイギリスから北海道に焼き直して作っているみたいだ。北海道をこれほど美しく描いたアニメはほかにないのではないだろうか。
この映画を見て、なぜか母とその父、つまりおじいちゃんのことを思い出した。おじいちゃんは私が生まれる30年以上も前に亡くなっており、その人となりは母から聞いただけだ。しかし母から聞いた以上に、私はおじいちゃんのことを”知っている”という感覚が、この幻想的な映画を見て、間違っていないのかもしれないと思えるのだ。