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大宮アルディージャ観戦日記

ラインをあげろ! 近代サッカーと乖離した大宮アルディージャのサッカー

投稿日:2017年7月15日 更新日:

『打て!』

昔ナイキのコマーシャルでエリック・カントナが日本語で言ったセリフだ。覚えてますか?

『ラインをあげろ!』

これは私の大宮アルディージャのサッカーに対する希望?愚痴?である。

『ゾーンプレス』。よく鍛えられて体力があり、しっかりと組織だったクラブチームが行える戦術だ。一時Jリーグでも流行ったが、最近はどのクラブでもあまり見かけなくなった。夏にリーグを闘わなくてはいけないこともあり、体力の消耗による無理がこの戦術にはあるのかもしれない。

それにしても大宮アルディージャはディフェンスラインの位置が低い。いわゆる「どん引き」というやつだ。前線、中盤での相手選手へのプレスがかからないので、ラインを低くせざるを得ない。守る時は10人のフィールドプレイヤーが自陣にいることもある。試合状況や時間帯によってありえなくはないが、大宮の場合、相手クラブがどこのクラブでもあまりかわらない。サイドエリアでゾーンプレスのような形になることもあるが、誰もボールサイドにアタックせず、ディレイ(遅らせる)だけさせていることも多いので、相手に安々とボールキープされてしまうこともある。ディレイさせるのは味方の選手に守備のポジショニングをとさせるために時間を作る戦術で、守備が整っているのに、遅らせているだけではあまり意味はない。ボールサイドにアタックして相手からボールを奪って速攻することが目的なのだ。

『ゾーンプレス』は高等戦術で、味方選手間の距離が短くなくてはならないうえに、さらにディフェンスラインをあげてスペースを消さなければならず、敵だけでなく味方のスペースをも消してしまう。そしてその戦術を遂行するだけの技術と体力が必要となるのだ。しかしこの戦術が成功すると、相手には試合の主導権を渡さずに、試合をコントロールできるようになる。相手に打たさず、こちらのパンチだけを殴打する、全盛期のマイク・タイソンのボクシングのようになるのだ。

マルチェロ・リッピが率いたユベントスやジュゼッペ・グアルディオラが率いたFCバルセロナを見たことがある人なら、この高等戦術の美しさを理解してもらえるのではないだろうか。特にグアルディオラの率いたバルセロナは圧倒的にオフェンスにその力を発揮した稀有なゾーンプレスの進化系だった。私はかつてペップのFCバルセロナとアーセン・ヴェンゲルのアーセナルが闘ったらどちらが試合を支配するのだろうと思って、その機会を待った。まだアーセナルにセスク・ファブレガス、ロシツキー、フレブなどがいた時代だ。CLでの両者の初対戦で、試合中に映し出されたボール保有率のスタッツに私は目を疑った。FCバルセロナ80%、アーセナル20%。圧倒的だった。

これは何を意味するかというと、FCバルセロナの「ディフェンス」の威力を示す。逆説的だが対戦相手がアーセナルだからこそ見えてくるものがある。「えっ⁉バルサの方がキープ力があるからじゃないの?」という声が聞こえてきそうだ。もちろんそれもそうだろう。だがこの当時のアーセナルはプレミアリーグでも屈指のボール保有率を誇っていた。マンチャスターユナイテッドやチェルシーのような強豪と対戦してもボール保有率を70%くらいに上げる技術があった。従って、バルサにはボール回しの上手いアーセナルからボールを奪う技術があったことになる。もちろん、バルサのボールキープ力が高いこともあったと思うが、通常ボール保有率は70%対30%でもワンサイドゲームなのに、80%対20%という数字は驚愕の世界になる。まして相手はアーセナルである。私はこんなサッカーを見たことがなかった。

だからといって、私は大宮アルディージャに『ゾーンプレス』をやってくれと言っているわけではない。FCバルセロナのビデオを見る必要も、あまりないと思っている。(笑) ただ、あまりにも近代サッカーが目指してきたものと違うものを見せられて愚痴を言っているだけである。(笑)

私は昔、ダービーマッチの時の浦和レッズを「カモ」だと思っていた。ラファエル、森田浩史、小林慶行なんかがいた時代だったかな。浦和はボール回しが得手でないうえに、攻撃の時に人数をかける癖があったので、ボールカットからの速攻が功を奏した。また浦和は3-5-2でマンマークだったが、大宮は浦和に比べ選手のポジショニングとボールさばきがうまく、トライアングルを組んでワンタッチ、ツータッチで浦和のマンマークをかわしていた印象を持っている。

今の大宮にはパスアンドランが効果的でない気がしてならない。なにもすべて全力疾走する必要はなく、パスをした後に軽く5メートル、10メートルのランニングをするだけで、相手のマークがずれたり、味方へのスペースを作り出すことができるのに、当時の浦和戦でみせてくれたようなポジショニングができなくなってしまった。そして「どん引き」して守るのだ。

一方で私は懐古主義や「戦術」のリクエストをすることの虚しさを知っている。例えば、私はエリック・カントナのいるマンチェスター・ユナイテッドが好きだったのだが、選手が変わるとおのずと戦術は変わる。アレックス・ファーガソンは24年間マンチェスター・Uを指揮した監督だが、時代によって戦術はまったく違う。これは選手とコーチが変わるために監督が同じであっても戦術が変わってしまうのだ。まして、監督が変わると戦術も変わってしまう。昔を懐かしんだり、戦術にやきもきしてもしょうがない部分があるのだ。(笑)

だから私はせめて夏にサッカーをやるのをやめて、選手のパフォーマンスのポテンシャルを最大限伸ばしてほしいと言っている(5月28日ブログ投稿)だけの、いちサッカーファンに過ぎないのだ。

近年は衛星放送の普及で、あまりにも簡単に一流のサッカーが見れてしまうので、サッカーをやるほうも大変です。(笑)

『月刊ワールドサッカーグラフィック2007年12月号』既に休刊になってしまったが、文藝春秋『Number』と共に好きだった雑誌。2007年12月号にはバルサの「ラマシア」やウェストハムの「アカデミー」など選手育成を取材した記事が載っている。表紙は好きな選手のひとりアーセナル時代のセスク・ファブレガス。

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