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渡部昇一著『名将言行録を読む』 これを読めば、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』がより楽しめる

投稿日:2017年8月8日 更新日:

NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎が放送中だ。彦根藩の藩祖を育てた女城主の井伊直虎が主人公の話しだ。井伊家というと幕末に桜田門外の変で殺害された井伊直弼が思いつく。ドラマは井伊家がどのように徳川家の譜代大名になっていったかを描いていて興味深い。戦国時代の小さな武家がいかにして御家を守ろうとしているかもよく描かれている。

私はこのドラマを見るまで、井伊家に女城主がいたことなど知らなかった。考えてみると、戦国時代を描く小説やドラマを描く作者はどのような資料を元に作品を作っているのだろう。その疑問に答えてくれたのが渡部昇一先生『名将言行録を読む』(2010年 致知出版社)だった。

『名将言行録を読む』のプロローグにはこんなことが書いてある。『名将言行録を読む』には底本があって、それは菊池寛の『評注名将言行録』だという。さらに菊池寛の『評注名将言行録』には岡谷繁実(おかのやしげざね)という人の書いた『名将言行録』が種本になっているとのことだ。菊池寛が『評注名将言行録』の「序」に書いているところによると、岡谷繁実の『名将言行録』は「戦国時代の名将二百余人に就いて、千巻の文献の中からその言動逸話を蒐集したもので、日本武士道の本質はもとより、当時の武士の生活や人物を知るに絶好の参考資料」となっていいものであり、今に伝わる日本の武将の話はすべてこの『名将言行録』から出ているといっても過言ではない一大資料である、と渡部先生も補足しています。

このようなことは私のような素人が知る由もなかったことですが、数々描かれてきた戦国時代の作品の元になっている本としてたいへん貴重なものであることがわかります。

NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』も戦国時代の話しですから、武田信玄や徳川家康などが登場します。『名将言行録を読む』にも武田信玄や徳川家康のほか、同時代を生き抜いた北条氏康、織田信長など名だたる名将が出てきます。勇将、智将の振る舞いや考え方を知ることは、ドラマをより楽しく見ることにとどまらず、人生の一助になることでしょう。

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