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カラヤン指揮 オペラ『蝶々夫人』~ミュージカル『ミス・サイゴン』の下敷きになったオペラを楽しむ~

投稿日:2017年9月7日 更新日:

この前のブログでミュージカル『ミス・サイゴン』について書いた。

ミュージカル『ミス・サイゴン』がオペラ『蝶々夫人』を下敷きに書かれていることに触れた。

今回はオペラ『蝶々夫人』について書いてみたい。

 

ミュージカル『ミス・サイゴン』はベトナム戦争を舞台に、アメリカ兵クリスとベトナムの少女キムとの悲恋物だった。

オペラ『蝶々夫人』は長崎を舞台に、アメリカ海軍士官ピンカートンと士族の令嬢蝶々さんとの悲恋を描いた物語だ。

 

ここで絶対にオススメしたいCDがある。

 

カラヤンがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した『蝶々夫人』だ。

プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」全曲

蝶々夫人をミレッラ・フレーニ、アメリカ海軍士官ピンカートンをルチアーノ・パヴァロッティが演じている。

まず触れたいのは、演奏の美しさ。

カラヤンのオペラはとにかく演奏がきらびやかで、一言で言うと「超かっこいい!」。

イタリアのオペラは情熱的で、いい意味で”土臭い”ものが多い。

カラヤンはオーストリアの生まれだし、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団もオーストリアの楽団だ。

イタリアの土臭いオペラをカラヤンとウィーンのテイストで変換すると、なんともきらびやでかっこいいものが出来あがる、とでも言ったらいいのかな。

 

カラヤンの『蝶々夫人』の中でオススメの曲はふたつ。

ひとつは蝶々さんが登場するシーンで歌われる「そら、やって来ましたよ、丘の上まで」。

ピンカートンとの結婚に憧れ、喜びに満ち溢れた蝶々さんのソロ。

演奏とコーラスが美しすぎる。

なによりもソプラノ歌手ミレッラ・フレーニの歌唱がすごい。

蝶々さんをこんな風に表現できるひとを私は知らない。

高音のパートをとてつもなく繊細に歌い上げる。

その繊細さを、おそらくカラヤンが引き出している。

意識がとびそうになるくらい美しいですよ。

 

ふたつめは第一幕のラストで歌われる「愛の二重唱」。

蝶々さんとピンカートンのデュエットだ。

劇中で最高の盛り上がりをみせるところ。

『ミス・サイゴン』でいうとデュエット曲「サン・アンド・ムーン」かな。

曲の後半部は「そら、やって来ましたよ、丘の上まで」と同じメロディーラインが使われる。

だけど今度はデュエットだから、蝶々さんはピンカートンへの愛情を思いっ切りぶつける。テノール歌手のパヴァロッティもそれを思いっ切り受け止めて歌う。

繊細でのびやかな歌唱と演奏をカラヤンとフレーニとパヴァロッティが作りあげている。

 

オペラ『蝶々夫人』にはこのほかにも「ある晴れた日」などの名曲もある。

『ミス・サイゴン』ではレア・サロンガに魅了されたが、『蝶々夫人』ではミレッラ・フレーニに魅了される。

その才能を引き出したカラヤンのオペラ『蝶々夫人』も是非聞いてみてほしい。

私が持っているCDはポリドール版だが、現在はユニバーサルミュージックの傘下に入っているようだ。

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