石井正忠監督の4-4-2。
実は私はこのフォーメーションは嫌いではない。
分かりやすいし、なぜか好きだとしか言いようがないものだが、大宮アルディージャが長年愛用してきたフォーメーションだからかもしれない。
4-4-2のフラットもしくは中盤をいわゆるダイヤモンド型にした4-4-2も好きだ。
現代サッカーに期待するのはすでに無理かもしれないが、私は10番タイプは決して嫌いではなく、もし大宮が優秀なFWもしくはMFを獲得出来たらトップ下に配置するサッカーも見てみたいと考えていたほどだ。
しかし今はそんなことを考えている場合ではなく、とにかくチームを立て直すことが重要だった。
そういう意味で石井正忠監督が指揮をとった3試合にチームを短期間で立て直すスピード感はまったくといっていいほど感じなかった。
事実上の降格を決めた第32節のベガルタ仙台戦は0-3の完封負け。
ホーム最終戦の第33節ヴァンフォーレ甲府戦は0-0のドロー。
リーグ最終戦の第34節川崎フロンターレ戦は0-5の惨敗。
第32節で起用した先発メンバーを第33節から大幅に変えてきたものの、第32節から第34節までチームが何か進展を見せた部分はひとつもなかったといっていいのではないだろうか。
残り3試合というが、最終戦までの期間は約1ヶ月もあったのだ。
「チームを1年間かけて作りましょう」と言わんばかりの采配だったのではないか。
石井正忠監督が監督に就任する条件が来季も大宮の指揮をとることが前提になっていたとしても(そういう前提であってほしくないと願っている)、約1ヶ月で0勝1分2敗(無得点、8失点)ならすでに監督として失格ではないだろうか。
来季J2リーグ開幕までの期間があれば石井監督ならチームを立て直してくれるだろう、という考えは少し甘い気がするのだがどうだろうか?
J2はそんなに甘いリーグなのだろうか?
すぐに立て直すか、せめて立て直す兆しを感じさせるような内容が無ければ無理だと思うのだ。
大宮アルディージャの三浦俊也元監督が重要なコメントをしている。
それは、J1へ1年で復帰することが望ましい、1年ならチームに残ってくれても、2年、3年ともなると選手はJ1のチームに行きたがるのは必定で、選手離れが起こるとチームが強くならず悪循環を招く恐れがある、という内容のものだった。
このコメントは的を得ていると思う。
J2に降格してからJ1に復帰することがかなわないクラブチームをたくさん見てきたのではなかったか。
だからとにかくチーム立直しのスピード感も大事な要素のひとつになってくる。
来季のJ2のスケジュールの詳細は分からないがFIFAワールドカップが開催されることを考えると開始時期が前倒しになるのではないだろうか。
のんびりチーム作りをしている場合ではないのだ。
1年でJ1に復帰しなければ取り返しのつかない事態になりかねないことを肝に銘じたほうがよさそうだ。