スウェーデンとの準々決勝で2点目の追加点を獲ったMFデレ・アリはイングランド代表の中でジェラード2世として嘱望されている若手有望選手だ。
所属するトッテナム・ホットスパーでも今季9ゴール10アシストの好成績を残している。
態度の悪さを指摘されているが、彼はまだ22歳だ。ワールドカップのような大きな大会で成功したり、失敗したりすることで、まだまだ成長していくだろう。ベッカムですらW杯フランス大会でラフプレイにより退場している。その後のベッカムの活躍は知っているだろう。ベッカムは当時23歳だった。
デレ・アリはこれから楽しみな選手のひとりで、準決勝のクロアチア戦にも出場する機会があるなら、注目する選手のうちのひとりだ。
そのほかイングランドには、デレ・アリと同じスパーズに所属するFWハリー・ケインが24歳。プレミアリーグで4季連続で20ゴール以上をあげたストライカーで、レアル・マドリ―が獲得を狙っているとの噂もある。
スウェーデンとの準々決勝でスピードのあるドリブルを見せたFWラヒーム・スターリングが23歳。スターリングはマンチェスター・シティーのFWで、今季18得点をあげ、マンチェスター・シティーのプレミアリーグ優勝に貢献した。
同じくスウェーデン戦でスーパーセーブを連発したGKピックフォードも24歳。エバートンに所属するGKだ。
FWマーカス・ラッシュフォードに至っては20歳だ。ラッシュフォードはマンチェスター・ユナイテッドのFWで、フランス代表のFWアントニー・マルシャル22歳とシーズン中にレギュラー争いをした選手だ(マルシャルはロシア大会にはフランス代表に選出されなかった)。マンチェスター・ユナイテッドに所属するベルギー代表FWルカクとは戦友ということになる。
イングランドの平均年齢26.1歳は今大会出場32か国中で、2番目に若い平均年齢26.0歳のフランスに次いで3番目に若い(その差はわずか0.1歳)。
サウスゲート監督も比較的若く47歳だ。先ほど少し触れたベッカムが退場になった試合で、控え選手としてベンチにいたという。
フランス代表もほぼイングランド代表と同じ平均年齢で、活躍しているのはFWエムバぺ19歳、FWデンべレ21歳、アルゼンチン戦でスーパーボレーを決めたDFパバール22歳のような選手たちだ。貫録のあるMFポグバも25歳だ。(笑)
デシャン監督も、まだギリギリ40代で49歳だ。
イングランドは昨年のU17とU20のカテゴリのワールドカップで、いずれも優勝している。A代表に留まらず、もっと若い世代の選手たちも躍進しているのがイングランドの特徴だ。
ちょうど今、日本代表も世代交代の過渡期にあると思うが、イングランド代表の活躍からのインスピレーションを得るとすれば、東京オリンピックの代表監督を務める森保一監督がA代表の監督を兼務するという形が、ひとつの可能性として見えてこないだろうか。世代交代のタイミングといい、オリンピックのタイミングといい、自然な流れができているような気がするのは私だけだろうか。
偶然だが、森保監督はデシャン監督と同じ49歳だ。