フランスの有終の美を飾ったのは、大会中フランスの攻撃の核になったFWグリーズマンと中盤で攻守にわたり貢献したMFポグバ、そしてセンセーショナルなワールドカップデビューを果たした19歳FWエムバぺだった。
圧巻だったのはフランスの3点目だ。
MFポグバから前線の右サイドをフリーランニングするFWエムバぺに対して、目の覚めるようなボレーキックによるスルーパスから生まれた得点だった。FWエムバぺのクロスボールに反応したFWグリーズマンが中央でトラップして後方から走り込んだMFポグバに落としたボールを冷静にポグバが決めた。
このゴールに絡んだ3人は、今大会のフランスを象徴するような選手たちだと思った。
FWグリーズマンはこの試合、1ゴール1アシスト、大会通算4ゴール3アシストとなり、実に7ゴールに絡む活躍をした。MFポグバは得点やアシストこそなかったものの、大会を通して攻守にわたって貢献し、この試合で初ゴールを奪った。FWエムバぺは、ベスト16のアルゼンチン戦で、センセーショナルな2得点を記録し、この試合でもほぼ試合を決定づける4点目を奪った。
比較的若いフランスの選手たちに対して、クロアチアの立役者はMFモドリッチ、FWマジュキッチ、FWペリシッチのようなベテラン勢たちだ。ただ3試合連続で延長戦を戦った疲労は否めないだろう。試合巧者で、ボール回しもうまく、決定力もあるクロアチアも、最後はフランスの前に4失点してしまった。さすがのクロアチアもこれでは追いつけなかった。
しかし、どちらかと言えば、タレント揃いのフランスに対して、臆することなく、ふてぶてしくプレイするクロアチアには感心させられた。
この2チームは偶然にも1998年W杯フランス大会で過去最高位を記録している。クロアチアは3位で、フランスが優勝した大会だった。今大会でクロアチアはその記録を上回り、フランスはアルゼンチン、ドイツ、イタリア、ウルグアイに並び、複数回優勝国の仲間入りを果たしたことになった。