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桜庭一樹読書日記《知的冒険心を満足させる》

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※文庫版

『このミステリーがすごい!』が本の水先案内だとすると、心と体をブンブンと揺さぶられるようなアトラクション感覚になるのが『桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。』(桜庭一樹 東京創元社 2007年)。桜庭一樹は書店、小説、創作ジャンキー(中毒)だ、と思っていたら、最新の書評のタイトルが『小説という毒を浴びる』(集英社 2019年)になっていて、やはりそうだったのか、と妙に納得した。(この書評はまだ読んでいない)

書店の好きなコーナーに入り浸り、古今東西の本を渉猟する。桜庭一樹にとって、書店はタイムマシーンで、その本の数だけ異世界がある。まるで冒険アトラクションに乗っている少年のように楽しそうだ。ひとが楽しんでいることはやってみたくなるのが人情で、なんか知らんけど、本が買いたくなる、読みたくなる、という衝動にかられるのはそのためかもしれない。〈桜庭一樹読書日記続編のタイトルは『書店はタイムマシーン』(同 2008年)〉


※文庫版

『桜庭一樹読書日記』は桜庭一樹が『赤朽葉家の伝説』(東京創元社 2006年)を書いていた頃から『私の男』(文藝春秋 2007年)を書き始めたくらいの時期に始まっている。この二作品は直木賞候補になり『私の男』が直木賞を受賞する。そんな時期だからか、桜庭一樹の創作活動になんとも言えない勢いと躍動感がある。特に『私の男』を書き始めるシーンは圧巻で、作家がインスピレーションを得る様子が生々しく描かれている。


※文庫版

私は桜庭一樹のルーツでもある鳥取を背景にした『赤朽葉家の伝説』が個人的に好きだが、編集者とのリラックスした会話の中から、この作品が生まれてくるプロセスも好きで、同じような知的冒険心を共有できる仲間の存在(桜庭一樹の場合は主に編集者)がいかに大切かが分かる。発想の宝庫となるような編集者との会話がたくさん記録されているのもこの日記の特徴だ。

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