「英国のテレビから殺人事件を引いたら、いったい何が残るっていうんです?」
(アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』)
『メインテーマは殺人』(創元推理文庫 2019年)『カササギ殺人事件』(同 2018年)の作者アンソニー・ホロヴィッツの脚本ドラマがAXNミステリー〈1日まるごとアンソニー・ホロヴィッツ〉で特集される。この超人気小説のタイトルが示す通り、殺人事件のオンパレードになるだろう。
アンソニー・ホロヴィッツのことは『このミステリーがすごい!2019年版』(宝島社 2018年)で知って『カササギ殺人事件』を読んだのがきっかけだった。読みだしたら面白くて面白くて止まらない。こんな凄い作家がいるのかと思い、文庫のプロフィールを見るとテレビドラマの脚本も手掛けているという。見たい!と思っていたらAXNミステリーが2月11日(火・祝)に特集を組むことを知った。
放送されるのは『バーナビー警部』『刑事フォイル』『名探偵ポアロ』『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』の4つ。『バーナビー警部』『刑事フォイル』『名探偵ポアロ』は選り抜き、『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』は全話放送されるようだ。
ミステリー素人の私が見たことがあるドラマはアガサ・クリスティー原作の『名探偵ポアロ』だけ。『名探偵ポアロ』を見るのも久しぶりだ。ただ、アンソニー・ホロヴィッツに興味を持ったお陰で、知らなかったドラマを見て、その中から自分好みのドラマに出会えるかもしれないと思うと楽しみだ。
『カササギ殺人事件』の中には映像プロデューサーが小説のドラマ化について会話をするシーンが出てくる。アンソニー・ホロヴィッツの得意分野ともいえる。その会話の中には、ホロヴィッツが書いたことがある脚本のテレビドラマのタイトルがしっかりとしのばせてある。このあたりは遊び心を忘れないイギリス人のユーモアが見て取れる。