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読書で散歩

京都 大原で余生を過ごした建礼門院を偲ぶ

投稿日:2017年4月7日 更新日:

NHK大河ドラマ「平清盛」*をCS放送のチャンネル銀河で見ていたら、京都に行きたくなった。最初に行きたいと思ったのは大原だ。大原に行きたいと思ったわけを書いてみようと思う。

平清盛の娘、平徳子(たいらのとくこ)は壇ノ浦で入水した際に源氏方に助けられたのち、大原で余生を過ごした。院号は建礼門院(けんれいもんいん)。安徳天皇の母であり、平家の栄華を知りつくした徳子が、天皇とはいえ6歳の我が子を亡くし、滅んでいった平家一門のことをどのように思い、過ごしたか。大原は田舎と聞く。ガイドブックで見ても御所や市街地からは遠く離れている。今と違って電気も通信も何もない静寂の世界で、平家の末裔の女性がひとり寂しく過ごしていた場所に行ってみたかった。時間を超えて建礼門院と同じ空間を共有してみたかったのかもしれない。建礼門院が過ごしたのは寂光院(じゃっこういん)という寺だそうだ。寂光院で平家の菩提を弔う建礼門院を後白河法皇*がひそかに訊ねたとか*。静寂に包まれた寂光院で時代に翻弄された両者の会話はいかなるものであっただろうか。

「建礼門院右京大夫集」*の書き出しは、徳子に仕えた右京大夫が絢爛豪華な宮廷の生活を述懐するところから始まる。なんて切ない書き出しだろう。右京大夫もまた、恋人の平資盛(すけもり)を壇ノ浦で亡くしているのだ。

 

NHK大河ドラマ『平清盛』 2012年1月8日~12月23日放送。全五十回。著者が見ているのはCS放送「チャンネル銀河」で2017年2月20日から再放送されているもの。作 藤木有紀 主演 松山ケンイチ(平清盛) 松田翔太(後白河天皇)

後白河法皇 鳥羽天皇の皇子。近衛天皇崩御後、皇位を譲りうけ天皇となる。保元の乱では崇徳上皇と対立。平治の乱の後は二条天皇親政と後白河院政の対立があった。NHK大河ドラマ「平清盛」では後白河法皇松田翔太さんが好演している。・・・・・(著者)

建礼門院を後白河法皇がひそかに訊ねたとか・・・お能に「大原御幸(おおはらごこう)」がある。作者は不明だが、この場面を芝居にするなんてそのセンスにシビレますね・・・・・(著者)

「建礼門院右京大夫集」(けんれいもんいんうきょうのだいぶしゅう) 建礼門院(平徳子)に仕えた右京大夫の私家集。宮中の生活や平家の栄華を述懐しながら平資盛との恋愛や死別の追憶を和歌で綴った。私が学生の時、駿台予備校の古典の先生に上野先生という方がおられたが「自分の一番好きな古典は『建礼門院右京大夫集』だ」と言われたことが印象に残って自分も読んだ記憶があります。先生は男性でしたが、繊細な感覚をお持ちだったのでしょう。・・・・・(著者)

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