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読書で散歩

【追悼】渡部昇一先生へ 萬葉集の桜の歌を数首

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18日に偶然購入した「萬葉集」の和歌です。今年の桜もたいへん美しいものでございました。

第八巻

1425「あしひきの山桜花 日並べて かく咲きたらば いた恋いめやも」山部赤人

1456「この花の一(ひと)よのうちに 百種(ももくさ)の 言(こと)ぞ隠(こも)れる おほろかにすな」藤原広嗣

返歌

1457「この花の一(ひと)よのうちは 百種(ももくさ)の 言(こと)持ちかねて 折らえけらずや」娘子(おとめ)

第十巻

1864「あしひきの 山のま照らす 桜花 この春雨に 散り行(ゆ)かむかも」読人知らず

第十二巻

3129「桜花 咲きかも散ると 見るまでに 誰かもここに 見えて散り行く」柿本人麻呂

第十七巻

3967「山峽(やまがひ)に 咲ける桜を ただ一目 君に見せてば 何をか思はむ」大伴池主

返歌

3970「あしひきの 山桜花 一目だに 君とし見てば 我(あ)れ恋ひめやも」大伴家持

第十八巻

4074「桜花 今そ盛りと 人は言へど 我れは寂(さぶ)しも 君としあらねば」大伴池主

4077「我が背子(せこ)が 古き垣内(かきつ)の 桜花 いまだ含(ふふ)めり 一目見に来ね」大伴家持

第十九巻

4151「 今日のためと 思ひて標(しめ)し あしひきの 峰(を)の上(うへ)の桜 かく咲きにけり」大伴家持

4395「竜田山(たつたやま) 見つつ越え来し 桜花 散りか過ぎなむ 我が帰るとに」大伴家持

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