長渕剛の『恋というもの』は1995年の10月に発売されたシングル『友よ』(東芝EMI)のカップリング曲だ。
昔このシングルのプロモーションで長渕剛がFMラジオに出ていた。番組の名前は忘れてしまった。
若い女性のパーソナリティと一対一の対談だった。
番組の中で曲が流れたあとで、この女性のパーソナリティは『恋というもの』の世界観に納得がいっていない様子だった。
特に”割り切れないのが恋というもの”という価値観がパーソナリティの女性のものと違ったようだ。
その女性は若く、恋というものに憧れや、ロマンスのようなものを抱いていたかもしれない。
一方で「私、惚れっぽいんですよ」というパーソナリティに長渕剛は「いいんじゃない?どんどん恋したら」と笑って答えていた。(笑)
このラジオが流れていた当時、私はこの女性よりも若かったと思うが、恋や男女の仲が割り切れるものという価値観は無く、長渕剛の世界観のほうがしっくりくるものがあった。
長渕剛の世界観というより男の世界観といったほうがいいのかもしれない。
京都大学の心理学者で河合隼雄という人がいる。
当時行動心理学が主流だった時代に、ユングの臨床心理学を取り入れた方だ。
臨床心理学の観点から心と身体を研究していた河合隼雄博士は、心と身体以外に「魂」があることを認め、人間の存在を一番基礎で支えているものを「魂」と呼んだそうだ。
河合博士は、その「魂」がどうしたがっているのだろうか?と考える時、「物事を割り切ってかんがえるのをやめましょう」というのが魂の考え方だと思っていたようだ。
「こっちの男性のほうがハンサムで高収入で背も高くて素敵。でもなぜかこっちの男性が気になる」
魂はどうしたがっているのだろうか?
浮気の理由を心や身体(遺伝子)のせいにしているようでは「魂」の存在に気づけずに生涯を終えるのではないでしょうか。
そうです、割り切れないのが、恋というもの♪