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アニメ映画『君の名は。』 想像を超える美しい映像と音楽が融合した映画

投稿日:2018年1月7日 更新日:

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

さて平成三十年(2018年)初回のブログはお正月に地上波で初めて放送されたアニメ映画『君の名は。』を取り上げようかと思います。

私はこの映画が2016年に上映されて大ヒットしている時は無関心で見ていませんでした。(笑) 映画のポスターに高校生が描かれているのを見て高校生が主人公であることに関心が持てなかったのと、よくテレビ番組の中で映画の名シーンとして登場する岸恵子さんと佐田啓二さん(中井貴一さんのお父さん)の映画「君の名は」を勝手に連想してしまい「リメイクかな?」と思い込んでいたこともあったかもしれません。(笑)

しかしアニメ映画『君の名は。』を見た後は「なぜ映画館に観に行かなかったんだ!」と後悔しました。(笑) そのくらいインパクトのある映画でした。

 

この映画の魅力はまず圧倒的な映像美にあるでしょう。都会の街並みや田舎の風景が鮮やかな色調でディテールにこだわって描かれています。これだけを見てもこの映画を見る価値があると思います。

カメラを趣味にしている人ならわかると思うのですが、露出を明るく設定した単焦点レンズで背景をぼかして撮影している映像を見せられているようです。

私は素人なので分からないのですが、背景をぼかすようなアニメーションはディズニーなどに見られますが、CG(コンピュータグラフィックス)のような技術で描くのでしょうか、風景のワンカット、ワンカットがまるで実写のように美しく描かれています。

映画の舞台になっている都会は東京の新宿だと思うのですが、新宿をこれほど美しく描いた映画は実写でもアニメでもないのではないかと思います。

私は過去に新宿が勤務先だったこともあり、リアルな新宿を美しい映像で見せてもらったような気になりました。

この映画では都会の風景と対照的に田舎の風景も描かれています。田舎の方は架空の町だと思うのですが、田舎の自然や暮らしぶりなどが都会を描くのと同様に詳細に、しかも美しく描かれています。それによって都会と田舎のコントラストが見事に描かれた作品だと思います。

主人公は新宿の高校に通う男子高校生と田舎の女子高校生のふたりです。この男女の高校生の心と身体が入れ替わるという物語です。大林宣彦監督のコメディ映画『転校生』を思わせる発想ですが、この物語には驚くような展開があります。

ただ単に男女が入れ替わるだけでなくて伏線が張られています。その伏線は男と女を結びつける縁としてのモチーフになっています。

女の子の方は田舎の神社の神主の娘です。田舎での暮らしや巫女としての行事などが都会の男子高校生の暮らしとのコントラストを引き立たせています。都会の男子高校生の暮らしをデジタルだとしたら田舎の女子高校生の暮らしはアナログといったところでしょうか。

組紐(くみひも)という神社にゆかりのある紐が映画の中で登場しますが、この紐が縁を象徴するモチーフにもなっているようです。

人の心は目に見えませんが、男女の縁も目には見えないものでしょう。その縁を目に見える形にしたものが、先ほどの紐に象徴されていると捉えることができるかもしれません。

何か不思議な力によって結びつけられるものこそ人の心であり男女の縁であるのではないでしょうか。

この映画はフィジカル(目に見えるもの)とメンタル(目に見えないもの)の結びつきを、都会と田舎、男と女、普通の暮らしと神事のような行事、夢と現実を対照的に描くことによって訴えているように感じます。

夕暮れ時など、薄暗くなる時間帯のことを「逢魔が時」といって昔の人は忌避したといいますが、映画の中でも「黄昏(たそがれ)」「誰そ彼(たそかれ)」という言葉を登場させることであいまいなものについての暗喩があるようです。

寝ている時に見る夢は醒めると記憶があいまいになって忘れてしまいます。

この物語の男女はあいまいなものに翻弄されますがその中で懸命に相手に「誰そ彼」と問い続けます。

「あなたは誰ですか?」

神社のご神体をお祀りするシーンはあの世(彼岸)とこの世(此岸)を連想させるモチーフになっています。

あの世(彼岸)とこの世(此岸)の境目とは何なのでしょうか?

人は生まれ変わる時、前世の記憶は総て忘れてしまうというようなことをどこかで聞いたことはないでしょうか。もしそれが本当なら映画の中で神主のおばあさんが言うセリフが分かるような気がします。

「此岸に戻るには一番大切なものを引き換えにしないといけない」

大切なものを失うのは怖い気もしますが、もしその大切なものが記憶というのであれば、この世に生まれるためにそれを失うことが必要になります。

もし記憶を失ってしまっても、この物語の男女のように勇気を出して問えばいいのではないでしょうか。

「君の名は。」

 

この映画の魅力に欠かせないものにRADWIMPS(ラッドウィンプス)の音楽があります。RADWIMPS(ラッドウィンプス)は映画『君の名は。』のために主題歌を含めサウンドトラックを書き下ろしています。一般的に映画に使用される主題歌は1曲か、挿入歌を合わせてもせいぜい2曲というところではないでしょうか。この映画では歌詞付きの曲が劇中に4曲も使用されています。しかもことごとくその楽曲が映像やストーリーにマッチしていると思います。ミュージカル映画ではないのに歌詞付きの曲が映画の魅力をより際立たせているのもこの映画の特徴です。

映画のクライマックスで使用される「スパークル」「なんでもないや」という曲は映画のシーンと同化していて個人的にも特に印象深い曲になりました。さっそくCDを買ってリピートで聴いています。(笑)

また、この映画の中で災害で壊滅する町が映し出されます。これも近年実際に起こった災害を連想させるものがあり、人々の共感を呼んだのではないでしょうか。しかしこの映画には悲劇を昇華させる力が備わっているような気がします。当たり前のように目の前にあったフィジカル(目に見えるもの)が失われる時、メンタル(目に見えないもの)の結びつきを感じることが人間にはできるのかもしれません。

年頭にこのような素晴らしい映画を見られたことに感謝したいと思います。

 

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