今大会の出場国の中で最もセットプレイで得点しているイングランドが試合開始5分でFKを決めて先制した。クロアチアは決勝トーナメントに入ってからデンマーク戦、ロシア戦と立て続けに延長戦を戦っているためか、動きに精彩を欠き、MFモドリッチもほぼ沈黙する状態が続いた。
試合が動いたのは、後半23分、クロアチアがアーリークロスで同点に追いついてからだった。それ以降クロアチアは有効なサイド攻撃をしかけることができるようになり、ペナルティエリア内にパスを供給できるようになったほか、縦パスも入るようになって、一気に形成を逆転させた。
そのままの勢いで延長までもつれ込んだ試合を制したのはクロアチアだった。
若い20代の選手を中心に戦ったイングランドは今大会でインパクトを残した。イングランドは大会前から周到にセットプレイから得点を狙う準備をしてきたようだ。アラン・ラッセルというオフェンスコーチを中心にした指導のもと練習を重ねたという。イングランドは南アフリカ大会以降、CKからの得点を奪えずに苦心していたとのことだ。偶然だとは思うが、VARの導入が重なり、ディフェンスのほうが慎重にならざるを得ない状況になっていることもセットプレイからの得点を増やした要素になったのかもしれない。
久しぶりにベスト4に進出したイングランド。心なしかGOD SAVE THE QUEENも誇らしげに聞こえる。胸を張っていいのではないだろうか。
一方で、決勝トーナメントに入って3試合連続で延長戦を戦ったクロアチア。満身創痍だとは思うが、決勝のフランス戦でも粘り強いサッカーを見せてほしい。