驚いたのは酒井宜福選手のポジショニングが良くなったことだ。具体的には、攻撃時にあがるタイミングとポジショニングが良くなった。
タイミングが良ければ選手はフリーになれる。ポジショニングが良ければクロスボール以外の選択肢も増えていく。フォローしてくるミッドフィルダーへのパスコースのほか、フォワードへのパスコースも増えていく。
前22節の千葉戦では、高めのポジショニングがツートップFW富山、FW大前へのパスコースを作り出していた。本人も千葉戦後のコメントで、いいポジションでボールが受けられるようになってきていることを認めている。
23節ホーム大分戦ではフォワードへの決定的なパスはなかったものの、酒井選手が高いポジショニングをとり、相手DFラインを押し下げたために、右サイドバイタルエリアでフリーになったMFマテウス選手から、クロスボールを入れることに成功したシーンがあった。
このクロスボールに対して、FW富山選手、FW大前選手、MF茨田選手が、3人とも身体のフェイスが完全にゴールを向いた状態でペナルティエリアに走り込んだ様相は圧巻だった。ゴールには至らなかったけど、今までこのように迫力ある攻撃は大宮アルディージャには見られなかったからだ。(笑)
酒井選手のポジショニングには、更なる可能性も感じさせる。例えば、ミッドフィルダーがダイアゴナルランで、コーナーフラッグ方向にフリーランニングをして相手DFもしくはMFを引き付けた場合、左足が利き足の酒井選手ならば、中に切れ込んでシュートを放つこともできるようになる。
今季14得点で得点王争いをするFW大前選手や、ここ数試合で先発を勝ち取り、得点も決めているFW富山選手に、いかに得点に結びつくパスを供給するか。絶好調のMFマテウス選手、茨田選手を活かすポジショニングが取れるか。酒井選手もプレイを楽しんでほしい。