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大宮アルディージャ観戦日記

J2リーグ2018 第26節 大宮アルディージャ対ロアッソ熊本 2-1 流れを変えた大宮FW富山選手と、ロアッソ熊本、渋谷監督のミスリードのおかげで3連敗を免れた大宮

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2018年7月29日(日)19:00 NACK5スタジアム大宮
大宮アルディージャ対ロアッソ熊本
試合結果 大宮2-1熊本(得点者:大宮 67'酒井宣福 70'大前元紀 熊本 10'伊東俊)

 

この試合のキーポイントはふたつある。

ひとつはFW富山選手が試合の流れを変えたこと。

もうひとつはロアッソ熊本、渋谷監督のミスリードだ。

 

この試合は完全に戦術のミスマッチが起こっていた。それはこういうことだ。

ロアッソ熊本は3バックだった。大宮は3バックの両翼の選手に、フォワードがプレスをかけるのではなく、サイドハーフがプレスをかける戦術を採っていた。必然的に、ロアッソ熊本の両サイドバックには大宮のサイドバックがプレスをかけることになった。

サイドハーフが相手サイドバックのケアとサイドスペースを消すことをしていないために、インサイドハーフのMF三門選手、MF大山選手が人もスペースもケアしなければならない状況が場面によって起こっていた。そのため大宮の中盤にはスペースが出来て、熊本からするとパスコースが豊富にあり、選手は易々とフリーになって、前を向いてボールを受けることができる状況が生まれていた。

大宮のサイドハーフが相手サイドバックのマークにつく場面では、ツートップのFW大前選手とFWシモビッチ選手が相手3バックの両翼にプレスをかけなければならないのに、ポジショニングが低かったり、悪かったりするために、ほとんどプレスがかからない。そのため、熊本のストッパー陣がボールを保有している時に、ノープレッシャーでパスを供給することが可能になっていた。

前半10分の失点も、MF三門選手がマンマークを振りほどかれてしまったミスはあるものの、間延びした大宮のDF同士の間に2列目から走り込まれた結果生まれたものだった。

マーキングやプレッシングがずれていることを示す、明らかな戦術上のミスマッチによる失点が生まれているにもかかわらず、大宮アルディージャはこの戦術を使い続けた。前線からのマーキングやプレッシングがずれているのに、なんでこんな簡単なことを即座に修正できなかったのか理解できない。ワールドカップで、うまくいかなければ、どこの国でもすぐに修正を試みるような監督が多かったから、その違和感は尚更だ。

 

この状況を変えてくれたのは後半60分に投入されたFW富山選手だった。

FW富山選手は積極的に相手DFの裏に走る動きを繰り返した。後半67分に生まれたSB酒井選手の見事なバイシクルシュートはFW富山選手が受けたファールによるFKから生まれた。

もちろんSB酒井選手のシュートは素晴らしいものだったが、FW富山選手のプレイなくしては生まれていないゴールだっただろう。

後半70分のFW大前選手の今季16得点目になるゴールも素晴らしいものだった。このゴールの0.5点はFW大前選手にパスを出したMF茨田選手のものといっていいだろう。サイドライン際から相手DFの裏に走り込むFW大前選手に出したスルーパスぎみのアーリークロスもお見事だった。これもMF茨田選手の素晴らしいパス無しには成立しないゴールだった。

大宮アルディージャが勝ち越したことにより、ロアッソ熊本の渋谷監督は後半72分、ストッパーを一人下げて攻撃系のMF水野選手を投入した。それに伴って3バックをやめて4バックに変更したのだ。

大宮アルディージャのマーキングとプレッシングにずれが生じなくなったのはこの時が初めてだ。

おわかりだろうか?大宮アルディージャが主体的に戦術の変更をしたのではなく、相手が4-4-2にしたために、結果的に4-4-2の布陣の大宮とシンメトリーの関係になって、ディフェンス面においてアンマッチが解消されただけなのだ。

それまで前を向いてボールを受ける余裕のあったロアッソ熊本の選手たちは、何もできなくなってしまった。まったく大宮のマークがずれなくなったからだ。

FW富山選手は攻撃面を劇的に変えてくれたけれども、守備面についてはFW富山選手投入後も大宮アルディージャチーム全体としてみれば修正されていなかったように思う。ロアッソの渋谷監督は我慢していればよかったのだ。選手を変えても、システムを変えなければよかったとでもいえばいいのだろうか。

もしSB酒井選手のゴールが生まれず、そのまま負けてしまったら、私は我慢できなかっただろう。現在の順位はともかく、大宮アルディージャが解任した監督の率いるチームに、戦術上で完膚なきまでに叩きのめされているところだったからだ。

しかし渋谷監督はミスリードした。隙だらけの大宮アルディージャに2-1で逃げ切れる道筋を与えてしまったのだ。

だから、解任が正しかったのだ、と言いたいところなのに、主体的に戦術を修正できず、FW富山選手が投入される後半60分まで、渋谷監督の戦術に圧倒された石井監督のほうが、大宮アルディージャの監督として適任者であるという理由は、少なくとも私には見当たりませんでしたよ。

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