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小泉八雲 東大講義録《ぞくぞくするものが幽霊》

投稿日:2019年12月22日 更新日:

「ちっちゃな魔法にすぎないがね、きみ、これが神の与えたもうたすべてなんだ」

……すべてを意味するのはただひとつのことであり、ただひとつのことがなににもまして重要なのだから……

(スティーブン・キング『マンハッタンの奇譚クラブ』)

 

視線をスライドさせながら書店の棚差しを眺めていたら『小泉八雲 東大講義録』(2019年 ラフカディオ・ハーン 池田雅之編訳 角川ソフィア文庫)が目に飛び込んできた。「何だこれは!」と軽くショックを受ける。小泉八雲の東大の講義録が”文庫化”されていることに驚いたのだ。末尾のほうに『さまよえる魂のうた』(2004年 小泉八雲コレクション ちくま文庫)に収録されていた講義録の新編集とある。「それも知らんかった」と、”ちくま”とか”ソフィア”みたいな教養のジャンルの書棚をしばらく見ていなかったことを恥じる。

さっそく家に帰って一気読みした。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が東大で講義を持っていたことは知っていた。夏目漱石が東大で教える前の講師がハーンだった。ハーンの講義は分かりやすくて面白いと評判で、夏目漱石は「ハーン先生の後はやりずらいなあ」とこぼしていたと聞いたことがある。

ハーンの講義録で個人的に圧巻だったのは第二章「文学における超自然的なもの」。怪談なんかの再話文学を得意にしていたラフカディオ・ハーンならそう来なくっちゃ、というタイトルだ。内容もずば抜けて面白かった。

 

……霊的なものには、必ず真理の一面が反映されている……

 

ハーンがマコーレーの作品は霊的なぞくぞくするような戦慄に貫かれているのが感じられる、と言っていることに私もぞくぞくした!マコーレーはイギリスの通史を初めて書いた人で、その『英国史』はイギリスの教養人の必読書だとか。上智大学の渡部昇一教授は『英国史』を音読する習慣があったそうだ。霊的な作品には言霊が宿るといったところか。幽霊はぞくぞくするのだ!

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