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ヘンリー・ストークス『大東亞戦争戰爭は日本が勝った』英国人ジャーナリストから見た皇国史観とは

投稿日:2017年11月13日 更新日:

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少し前に新聞の広告欄で英国人ジャーナリストのヘンリー・ストークスという人の書いた大東亜戦争は日本が勝った -英国人ジャーナリスト ヘンリー・ストークスが語る「世界史の中の日本」(ハート出版 平成29〈2017〉年4月27日初版)という本を見つけました。

おっ、というタイトルだったので目に留り、著者が英国人ジャーナリストということにも興味が湧いて先日書店で購入しました。ストークスさんは『フィナンシャル・タイムズ』『ザ・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ』の東京支局長を歴任された方だそうです。

この本のタイトル「大東亜戦争は日本が勝った」という表現は2つの視点からの意味合いがあると思います。

ひとつはインド、シンガポール、マレーシアやそれに係わるマレー沖海戦のような海戦のほか、アジアで日本軍に完膚なきまでに叩かれたイギリス人の視点、そしてもうひとつは世界史の視点です。

ヘンリー・ストークスさんは日本軍は大英帝国を崩壊させたとまで言っています。

マレー沖海戦では大英帝国海軍が誇る戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」と巡洋戦艦「レパルス」をわずが4時間程度で日本軍に撃沈されています。

さらに、植民地を多く持ち、それによって繁栄と栄華を極めていた白人世界を崩壊させた「犯人」が日本人という有色人種であることが、イギリス人のような白人にとって衝撃的なことであったのです。

イギリス軍が日本軍に負けた後、自分たちが奴隷のように扱ってきた有色人種と立場が逆転した時にイギリス人は恐怖のどん底に落とされたといいます。

インド、シンガポール、マレーシアなどから見ると「侵略者」は白人で「解放者」は有色人種である日本人だったのです。

タイトルに含まれる「大東亜戦争」という呼称にもイギリス人の視点があります。イギリス人から見ると太平洋は日本との主戦場ではありません。インド洋や南シナ海です。「太平洋戦争」とはあくまでもアメリカの視点といえます。ストークスさんは、それはアメリカの視点だけでなく史観があるといいます。日本に「大東亜戦争」に大義を持たれては困るという史観です。

ストークスさんは「大東亜戦争」という呼称には大義があるといいます。その大義とは日本が白人の西洋列強のアジア植民地時代を終わらせたというものです。その大義のために命を落とした二百数十万もの日本軍の将兵のことを日本人は決して忘れてはいけないと言います。イギリス人である自分がこんなことを言うのは「大東亜戦争」によって大英帝国が滅ぼされたからと言うのです。

日本はアメリカ以外ではイギリス軍と戦う機会が多かったわけですから、たいへん説得力のある話しだと思います。

また、大英帝国が滅ぼされたという表現は決して大袈裟な言い方ではないと思います。なぜならマレーシアのマハティール元首相は、日本の占領は物理的なものにとどまらず、自分たちを一変させたと言っています。それは、ヨーロッパ人が絶対的なものではないということを知った、ということなのです。

だからストークスさんはアメリカが「大東亜戦争」を「太平洋戦争」と呼ばせることは歴史修正主義そのものだとまで言っています。ストークスさんはジャーナリストですから日本のテレビ局や大手新聞社が「太平洋戦争」という呼称を使っていることについて、アメリカ追従史観どころかアメリカ隷属史観だと憤っています。

これを読むと「戦後レジーム」からの脱却をうたった安倍晋三首相が一時期、歴史修正主義者のレッテルをアメリカから張られそうになったことがありましたが、どうも、というか、やっぱり濡れ衣としか言いようがないようです。

 

また、世界史の視点でいうと、世界で初めて白人を打ち負かした日本という国を、太古から他国に侵略されることもなく、21世紀の今日まで世界のどこにも属さない文明国として存在している稀有な国であるとストークスさんは述べています。

その特徴のひとつとして、八百万の神々が共生し、その神々を祭祀する長である万世一系の天皇がいることをあげています。万世一系の天皇とともに君民一体の国体を日本人が営々と守ってきたからこそ、神話の時代から現在にいたる皇紀二千六百七十七年(著書のママ)もの長い間、国が存続できているというのです。

このようなことを日本人が言うとすぐに「皇国史観」だといって否定的に受け取られがちですが、これはイギリス人が言っていることなので「皇国史観」にはならないと思うのですが。(笑)

そして万世一系の天皇のもとで古代からひとつの王朝が続く日本人には他国とは違った歴史意識があり、それは「平和の民族」「大和の国」(調和の国)としての意識だと言います。

聖徳太子の十七条憲法の第十七条に「物事はひとりで決めないで、みんなで相談して決めなさい。みんなで相談すれば道理にかなう結論がでるものだ」と定められているのも、神話の時代に神様が集まって合議したという「神議り(かむばかり)」に通じるものがあるとしています。

また、日本が人類史上初めて「人種差別撤廃」を1919年(大正8年)にパリ講和会議(ヴェルサイユ条約)で訴えたことを指摘しています。この訴えは通りませんでしたが、ストークさんは日本人が世界は一家のようなものと訴える「八紘一宇(はっこういちう)」の世界観を持つことができたのも「平和の民族」として意識があるためだと考えているようです。

「八紘一宇(はっこういちう)」とは神武天皇が即位した時に国の方針として「八紘(あめのした)を掩(おお)ひて宇(いえ)と為む」という言葉からまとめられたものですが「みんながひとつの屋根の下にあつまって一緒に政治をすればいいだろう」という神武天皇の世界観が現代まで続いていることを意味するのではないでしょうか。

日本の神話の時代から現代まで続く皇室やその影響をうけ今日まで独立国家として存在している日本をみて、世界のどこにも属さない文明をもった国であるとストークさんは考えているのです。

そして日本はどこからも征服されたことがない国であり、どこからも征服されたことがない民族である日本人が、国体を守るために戦ったのが「大東亜戦争」であるというのです。

 

私はヘンリー・ストークスさんが述べていることは今年の春に逝去された故・渡部昇一先生が長年にわたり言い続けてきたこととたいへん近いものがあり共感できるだけでなく、激しく戦った戦勝国側の人間から述べられているということにも意義を感じます。

その一方で、止むことのない他国からの「大東亜戦争」の大義への言いがかりと、その宣伝工作はますますエスカレートしているようにも感じます。

そのやり方は卑劣で「大東亜戦争」で日本と戦ってもいない国や政府が、戦勝国や戦勝国が関係する国際機関にプロパガンダを働きかけています。働きかけられた国も少し調べればそれがプロパガンダだということは分かるはずなのに戦勝国の立場からか平然とそれを受け入れているように感じます。

こういう時にヘンリー・ストークスさんような戦勝国側のジャーナリストの主張が重みを増してくるのではないでしょうか。

 

日本がアメリカの占領から独立するきっかけになったのは朝鮮戦争の勃発でした。アメリカは急遽占領政策をやめ1952年(昭和27年)のサンフランシスコ講和条約で日本は独立することになりました。その時アメリカは占領政策のために作った日本国憲法という置き土産をしていきました。日本の国体に合わない憲法は皮肉にもアメリカに嫌悪感を示すポリシーを持つ人たちによって戦後大事に守られて今日に至っています。共産主義国のイデオロギーと日本に嫌悪感を示す国の思惑が偶然アメリカと一致したのです。

奇しくも再び朝鮮半島で北朝鮮の核ミサイルの危機が緊迫してきており、今の憲法を改正する機運が高まっています。当時、講和条約に反対し日本の独立に反対した輩がいたように、憲法の改正に反対する輩が、国民は憲法の改正を望んでいるのですか?などと平気で嘯いています。

しかし私はこの日本とアメリカと朝鮮半島の不思議な巡り合わせに思いをはせざるを得ないのです。

 

最後にヘンリー・ストークスさんの本の中にあった微笑ましいエピソードを紹介したいと思います。

天皇誕生日には日本にいる157か国の各駐日大使とその夫人が陛下にお祝いの言葉を述べて乾杯するそうです。ヘンリー・ストークスさんはその駐日大使の外交団長をしているサンマリノ共和国のカデロ大使という方と親しかったそうです。

平成24年(2012年)は西暦712年に「古事記」が成立してからちょうど1300年にあたります。カデロ大使は陛下へのお祝いのお言葉をこう述べて乾杯の発声をされたそうです。

「今年は、日本最古の歴史書である『ふることよみ(古事記)』の1300周年のよき年に当たります。今日の世界は、不幸なことに、抗争が絶えません。願わくば日本神話の理想が、世界をあまねく照らしますように」

陛下は「素晴らしい言葉を、どうもありがとう」と感謝のお言葉をカデロ大使に賜れ、皇后陛下は「大使は日本の歴史をよくご存じですね」とお言葉を賜れたそうです。

 

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