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将棋棋士 米長邦雄 「運を育てる」男運をあげるには女運をあげること

投稿日:2017年5月9日 更新日:

「運を育てる」*は五十歳で名人位を取られた将棋棋士の米長邦雄さん*が「運」について書かれた本です。幸運の女神がいかにすれば微笑むのかを勝負師の米長さんらしい語り口で説いています。私がこの本で面白いと思ったのは、米長さんが「女運」そのものに言及していることです。当時米長さんの息子さんが中学生だった時、夏休みに息子さんの友達2人が自宅に遊びに来たそうです。やんちゃだった3人に米長さんはこう言います。「お前たちにとって、この世で一番大切なものは何だ」3人からは「お金だ、いや仕事だ」といろいろ出たそうです。「たくさん出たけれど、一番大事なものが一つ欠けているようだな ― それはな 女運(おんなうん)だ。どんなに金持ちになっても、どんなに権力者になっても、周りの女がひどかったら、なんにもならない。こんなつまらない人生はないんだよ。 - とにかく、自分の周りにどういう女がいるか。男の幸せというのは、それに尽きるんだ ― 」米長さんは強者(つわもの)です。米長さんは奥様と結婚する時に、米長さんが外泊(おそらく女性と)することを承諾させたといいますから、実地で学んできた米長さんらしいセリフです。もちろん「運」を引き寄せるには、謙虚であり、笑顔を絶やさず、感謝する心を忘れないことが重要であることをこの本は教えてくれます。「運」というと、どうしても「徳」を積み重ねていくという聖人君子のようになりがちですが、”いい女と一緒に居ることが大事である”というシンプルな米長さんの教えを懐かしく思います。

「運を育てる」 クレスト社 平成5年(1993年) 「ふたたび運を育てる」ザ・マサダ 平成10年(1998年)

米長邦雄 将棋棋士。昭和18年山梨県生まれ。13歳で佐瀬勇次八段に入門。昭和48年(1973年)棋聖戦で初タイトルを獲得。平成5年、7度目の挑戦で名人位を獲得。50歳での名人位獲得は史上最年長。2003年引退。日本将棋連盟会長。2012年没。

 

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