2017年12月2日(土)14:00 等々力陸上競技場
川崎フロンターレ対大宮アルディージャ
試合結果 川崎5-0大宮(得点者:川崎 1'阿部浩之 45'+2',60',81'〈PK〉小林悠 90'+6'長谷川竜也)
ディフェンス能力の低下。
これが大宮アルディージャの降格の直接の理由であることを裏付ける結果になった。
試合開始早々1'の失点は川崎DFエウシーニョの中盤でのドリブルを大宮MF長谷川アーリアジャスールが簡単に許し、川崎MF阿部浩之にパスを供給された。大宮DF奥井諒もマークが甘くMF阿部の先制ゴールを許した。
前半1分という時間での失点は今季の大宮アルディージャのディフェンスに欠陥があることを如実に示す失点になった。
その後14'にも川崎の攻撃からDF奥井は右サイドで簡単にクロスボールを許し得点にはならなかったものの、中央で川崎FW小林悠にシュートでフィニッシュされている。
38'の時間帯には大宮の左サイドで川崎MF家長昭博にボールをキープされるシーンがあった。大宮SB和田拓也がマークしているがこの試合で左サイドハーフで起用されているFW瀬川祐輔がプレスダウンして和田のフォローをしなくてはいけない局面で、なぜか最終DFラインに吸収されるポジショニングをとって中盤のスペースががら空きになるようなシーンもあった。
インサイドハーフのMF長谷川とMF茨田陽生のフォーローも遅く、中盤にスペースができやすい状態が前半は続いていた。ラインも押し上げらずサイドのディフェンスも遅れがちになっていたこともマークが遅れがちになる原因ではないだろうか。
FWであるマルセロが左側のタッチラインからスローインすることが数度あったことなどは、首をかしげざるを得ない。
45'+2'の川崎の2得点目も大宮DF高山和真のクリアミスから始まった。
DF高山のクリアミスを川崎に拾われ右サイドで川崎MF家長にドリブルを許したうえに、またもや大宮DF高山がクロスボールを簡単に入れさせてしまった。DF高山が右サイドに引っ張りだされた中央は手薄になり、川崎FW小林に今度はヘディングでシュートを決められてしまった。
60'にはDF奥井がフリーになっている川崎の選手をディフェンスするために自分のポジションを捨ててあがったスペースにMF家長に走り込まれ、遅れてMF家長をマークしにいった大宮DF山越康平も簡単にクロスボールを入れられ、またもや手薄になった中央で川崎FW小林にゴールを許してしまった。
これらの失点はミッドフィルダーのフォローの遅さやミスもあるかもしれないが、ほとんどがディフェンダーのミスだ。
あるいはディフェンダーのスキル不足というしかない。
81'の失点は全体的に大宮が引いて守っていた時間帯だった。右サイドへポジションをシフトしたMF瀬川がPKを与えてしまったがディフェンスが不慣れなMF瀬川のマークが遅れた瞬間のファールだった。
5失点目はもう語る必要もない。
川崎はメンバーから得点王を出し優勝を決めた。
日本代表メンバーも多数出している。
この試合でハットトリックを記録し、総得点23得点でリーグ得点王になったチームキャプテンの小林悠選手のコメントは「得点をすることでキャプテンとしての責任を果たそうと思った」とのことだった。
無尽蔵の運動量を誇る今年37歳の中村憲剛選手はACL、リーグカップのタイトルを落としても絶対にリーグ戦のタイトルを獲るというあきらめない思いがあったようだ。
このような思いを持った選手が今季の大宮にいただろうか。
ホーム最終戦のセレモニーを優勝で迎えられるクラブチームは幸せだ。
この優勝の光景をしっかりと覚えておくことが必要のようだ。