世界的に有名な動物行動学者リチャード・ドーキンスの
『利己的な遺伝子』が40周年記念版として今年の2月に出版された。
ドーキンスの考え方が私のような素人にも分かりやすく書いてある。
生物はダーウィンの進化論が示すように進化してきた。
それは、どうあれ遺伝子が作用している。
生物は遺伝子を運ぶ乗り物に過ぎず、遺伝子は生物を借りて、コピーを繰り返している。
というものだ。
これを「生存機械論」と呼ぶそうだ。
シンプルで分かりやすい。
この本が爆発的にヒットした理由は、よく分からないけど
理由のひとつに『利己的な遺伝子』という本のタイトルが関係しているようだ。
でもドーキンスは『利己的な』という部分にこだわりはないようである。
この版には30周年の時に寄稿したドーキンスの記事がある。
タイトル案は複数あったそうだ。
『不滅の遺伝子』『利他的な乗り物』『協力的な遺伝子』
これを見ると分かるのだが、
ドーキンスにとって大事なのは
「遺伝子」と「乗り物」
「乗り物」というのは生物ということになる。
ドーキンスは進化論の実体は
「遺伝子」を通じて起こったと、仮説してるわけだ。
ドーキンスにとって「遺伝子」が進化に重要な役割を果たしていることを言いたいわけです。
これは科学的に非常に重要な指摘だと思う。
そして、その「遺伝子」の振る舞いを「利己的」と表現したことで
世界的にセンセーションを巻き起こすような本になったのではないかと推測できる。
進化論に新たな風を吹き込ませたのではないでしょうか。
ドーキンスにとって進化論が重要なわけですから
遺伝子はそれを裏付けるものだ。
逆説的に表現すると
「遺伝子」は「進化論」の乗り物に過ぎない、とも言えそうです。(笑)
(素人考えです)
ドーキンスは無神論者だって言うから
たぶん生物を人間と他の生物で分けたりはしない。
人間を他の生物と分けてしまうと
人間にはどうしても意思があるから、精神世界に足を踏み込まざるを得ない。
信仰とは精神世界そのもの。
どうしたって、ドーキンスには足を踏み入れることはできないでしょう(笑)
ドーキンスだけじゃなくって
ここが科学者の分かれ道。
進化論者のひとりアルフレッド・ラッセル・ウォレスは
科学者の名声を捨て精神的な世界を選んだようだ。
私のような素人は簡単だと思っている。
幸せを感じること。
それだけでいい(笑)