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渡部昇一先生著「頼山陽『日本楽府』を読む」(PHP研究所) 頼山陽は武士階級の司馬遼太郎のような存在だったのではないだろうか

投稿日:2018年3月20日 更新日:

大河ドラマの原作、林真理子著「西郷どん」にはこんなセリフが出てくる。

島津斉彬が若き日の西郷隆盛にこう聞くのだ。

「大日本史を読んだか」

「大日本史」とは水戸の徳川光圀の時代から水戸藩が膨大な国費をつかって、二百年以上かけて作り上げた、日本の歴史書だ。

現物は見たことがないが、大変な分量で、漢文で書かれているという。

皇統の正統を説き、尊王思想の礎になったとも言われている。

これは直感だが、武士はこんなものを読まない。

というよりは読めない。

分量も多く、たぶん読むのに時間がかかるし、手元に用意できたかもわからない。

これを読んだのはおそらく学者だろう。

西郷のような下級武士は、学者から講義を受けたのではないかと推測がはたらく。

 

(素人考えなので間違っていたら、ご容赦ください)

 

では、武士が実際に読んだのは、なんだろう。

それは、おそらく頼山陽だと思われる。

伊藤博文と井上馨がイギリスに留学する時に、持参したのは

頼山陽の「日本政史」とのことだ。

頼山陽でも「日本外史」だと分量が多いから「日本政史」を持っていったらしい。

頼山陽の書物も漢文で書かれているそうだが

夏目漱石は荻生徂徠にくらべて頼山陽の漢文は和臭がする(日本語臭い)と言ったそうだから

日本人からしたら、頼山陽の漢文は読みやすかったに違いない。

今なら日本人が書く英語といったところだろう。

 

頼山陽は下級の武士階級には

司馬遼太郎のような存在だったのではないだろうか。

 

司馬遼太郎や吉川英治はとにかく面白い。

面白いだけでなくて、ためになる。

歴史がストーリーで頭の中に入ってくる。

 

頼山陽の「日本楽府」は漢文ではなくて、漢詩である。

日本の歴史を詩で表現し、しかもそれがストーリーになっている。

単純に歴史を楽しむことができるし、歴史を学ぶこともできる。

 

そんな頼山陽の「日本楽府」を紹介してくれたのが

渡部昇一先生だ。

春の夜に、漢詩を朗詠しながら、勤王の志士の感覚を追体験するのもいいかもしれない。

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