イングランドはW杯のPK戦で
やっと勝ちましたね。
1990年イタリア大会でドイツ
1998年フランス大会でアルゼンチン
2006年ドイツ大会でポルトガル
いずれもPKで敗戦。
試合の見どころのひとつはPK戦だった。イングランドのGKは予選で出場のなかった24歳のピックフォード。所属クラブもエバートンでビッグクラブというわけでもない。大会直前に信任を得て先発を任されたラッキーボーイだ。
日本のGK川島も南アフリカ大会の時、大会前の国際親善試合でイングランドのランパードのPKを止めて、正GKの楢崎に代わって本選の先発に抜擢されていたよね。
いるんだよね、こういうラッキーボーイが。勢いのあるチームには必ずこういうラッキーボーイがいる。
一方でコロンビアのGKはプレミアリーグのアーセナルでプレイするオスピナだ。イングランドはすべてプレミアリーグでプレイする選手ばかり。選手の特徴はある程度掴んでいるはずだし、特にプレミアリーグ得点ランキング2位のイングランドのエース、ハリー・ケインの特徴は熟知しているはず。
ケインはレギュラー90分の試合の中でも自身がセットプレイでファールを貰ってPKを決めた。このPKも面白かった。ケインは助走が短いため、助走の短い選手の特徴としてゴールに向かって左側に蹴る傾向がある。今大会でもケインは2回PKを決めているがいずれも左側に決めている。
オスピナも当然ケインが左側に蹴ってくると予測して左側に飛んだが、ケインはなんとど真ん中に決めた。裏をかいたのだ。さすがとしか言いようがない。
ケインは24歳の若さでありながらプレミアリーグ4期連続20得点以上2017-2018シーズンも30得点でリーグ2位だ。1位はご存じエジプトの英雄サラーね。32得点。
ケインはPK戦でも決めているが、その時はあえて左側に蹴っている。コロンビアGKオスピナは定石通り左(ケインから向かって)に飛んだが、ケインのキックが強すぎる。(笑) 分かっていても、GKが獲れないボールスピードがある。
クロアチアvsデンマークでのPK戦でもコースを狙ってボールを置きにいくような緩いキックは悉く双方のGKに止められていたような気がする。
それに引きかえケインのシュートは力強い。多少コースが甘かったりGKに読まれてもボールスピードがあるために捕られない。ケインが世界有数のストライカーである所以だろうね。
試合は双方ディフェンスのレベルが高いことを感じさせましたね。マーキングやパスコースの切り方など、特に中盤での攻防のせめぎ合いが均衡していた。お互いのストライカー、ケインやファルカオへも有効なボールがほとんど入らない展開が続いていたね。
若干イングランドのほうがコロンビア陣地まで攻め込んでいた証拠として、CKの数がレギュラー90分で、イングランド6本に対してコロンビアは1本しかなかったことがあげられる。
コロンビアはその1本のCKから同点弾を叩き出したのは立派だ。しかも後半ロスタイム。ただ、イングランドに6本もCKを与えたら、1本はやられるよね、だってケインがいるから。(笑)
やはり、試合が拮抗したときにハメス・ロドリゲスがいなかったのはコロンビアにとって痛かったかもしれない。起点になる選手が生まれず、なかなか攻撃にアクセントをつけることができなかった。
ハリー・ケインはコロンビア戦の得点によって大会6得点で得点ランキング単独1位になった。前回大会得点王のハメス・ロドリゲスがケガで欠場していることが何とも皮肉だ。
スタンドでなす術もなく試合を眺めるハメスが痛々しくカメラに映し出されていた。