東アジア選手権の女子の優勝決定戦が終わった。
結果は0-2で北朝鮮女子が日本に勝利し大会を通じて北朝鮮女子が3勝して東アジア選手権の3連覇を果たした。
試合は日本女子がディフェンスの脆さを露呈した。
後半20分の失点はバイタルエリアからミドルシュートを打たれてしまった。ディフェンダーの寄せが甘かったと思われる。
後半37分の失点は日本の右サイドを突破されクロスボールを許しファーサイドに流れたボールを押し込まれてしまった。サイドを簡単にドリブルで突破されてしまったこととファーサイドに走り込んだ選手にマークが付き切れていなかったことによる失点だった。
失点のシーンだけ見るとお粗末なディフェンスであることは否めない。
第2戦目の中国戦では完封勝利していただけに残念だ。北朝鮮に敗れたために日本は選手権を2位で終えた。日本は試合の前まで北朝鮮と勝ち点で並んでいたが得失点差に1の開きがあり、勝たなければ優勝することはできなかった。
私は最近の日本代表女子のサッカーをあまり見ていないので直近の女子サッカーの趨勢には詳しくないが、FIFAランキングを見ると日本女子が8位で北朝鮮は10位とのことなので、ほぼ同格のチーム同士だったと言っていいだろう。
私が気になるのは日本の負け方だ。
日本は北朝鮮戦でイエローカードを一枚も貰っていない。
日本戦で先制点を獲ったキム・ユンミ選手は大会4ゴールで得点王になったようだが、そのキム・ユンミ選手へのタックルなどに対するイエローカードも当然出ていない。
これは首をかしげてしまう。
およそ得点王にもなるストライカーへは激しくタックルにいくことは当たり前で、当然イエローカードも貰うことになる。
特に実力が拮抗している相手にならなおさら、相手ストライカーへのプレイだけでなく、他のプレイにおいてもイエローカードが出るものだ。お互いにギリギリの攻防になると思うし、それが大会の優勝を決める試合ならなおさらのように思われる。ちなみに北朝鮮にはこの試合で2枚のイエローカードが出ている。
テレビ中継では新生なでしこと言っていたので新メンバーも代表の中にいたのかもしれないが、はっきり言ってそんなのは関係ない。
中継の冒頭では2004年のアテネ五輪最終予選の北朝鮮戦の映像が紹介されていた。シドニー五輪の出場を逃して以来、日本代表は低迷していたそうだ。しかもアテネ五輪最終予選は当時最強と言われ過去13年間で一度も勝ったことがない北朝鮮が相手だった。その北朝鮮相手に日本は3-0で勝利しアテネ五輪の出場権を手に入れる。2011年にアジア人で初の世界最優秀選手賞を受賞した元日本代表の澤穂希さんはその試合を振り返って「日本の女子サッカーの歴史を大きく変える試合だったので、何が何でも勝たなきゃという気持ちで戦いました」と言っていた。
今日の試合を見る限り「何が何でも勝たなきゃという気持ち」で戦っていた選手はどれだけいたのだろう。
試合後の監督のインタビューを聞いていると「うまさ、強さ、速さ」などテクニカルなキーワードに言及していたようだが国際大会で「戦う」ことは求めたのだろうか。
それが少し気がかりだ。
日本サッカーミュージアムには澤穂希さんの直筆の色紙が飾ってある。正直に言って下手くそな字だが(笑)、日本代表歴代最多205試合83得点の澤穂希さんの字だから重みがある。私は澤穂希が日本代表女子で最高の背番号「10」だったと思っている。
”なでしこジャパン”
日本のサッカー界はオフに入ったが、海外サッカーは熱い戦いが続いているよ!迫力あるプレーを楽しもう!